COLUMN

DESIGN

伝え方の心得 その1

空間デザインはフルオーダーメイド。 

 

無限の選択肢から自由に創り上げて行くプロセスは
お客様にとってワクワク感を伴うポジティブな体験そのものです。

 

憧れだったあの場所を表現したい!
新たな発想を生むための斬新な空間を創ろう! 

 

・・・等々イメージはどんどん膨らんでいきます。
一方で、目指す空間は自動車や携帯電話のように
事前に実物を確認できませんし、
気軽に返品ができるような代物でもありません。

 

従って、ご要望を受け入れて具現化のお手伝いをさせて頂く側として
注意すべきポイントが様々あります。
今回はその第1回めとして、完成イメージの伝え方についてです。

 

我々は先ずお客様のヒアリングをしっかりと行い、
完成イメージを共有するためにCGパースを作成します。 

 

CGパースはテイストの異なる複数案を用意して
更新を繰り返しながらご要望に近づけて行くのですが、
デザインや素材感は忠実に表現していても、
バーチャルな視点からのイメージですので、
実際の距離感とはかけ離れた印象になる場合も少なくありません。

 

例えば、手前にある壁を全て取り払って、
建物の外側からというあり得ない地点から見たパースは
全体のデザインを理解頂くためには有効です。

 

ところが、いざ出来上がった空間に立ってみると
正面の壁が近すぎてイメージと違うとか、
壁をもっと低くしておけば良かったといった
ご指摘を受ける事になりかねません。

 

お客様の求める空間に近づけるために
CGパースはもはや必須となったツールですが、
その表現力に対して、現実に出来上がる空間との印象の違いを
的確にお伝えすることが私達プロフェッショナルの大切な役割です。