COLUMN

DESIGN

伝え方の心得 その2

空間デザインはフルオーダーメイド。

 

無限の選択肢から自由に創り上げて行くプロセスは

お客様にとってワクワク感を伴うポジティブな体験そのものです。

 

一方で、求めるイメージはあっても、殆どのお客様には

それを詳細且つ具体的に伝えることはできません。

 

従って、我々はヒアリングを手掛かりにご要望の本質を探りながら

数々の経験に基づいたアドバイスをさせて頂くのですが、

サイズ感覚は注意すべきポイントの一つです。

 

例えば洋服の場合、S、M、Lといった規格サイズに分かれており、

自分好みのフィット感でサイズを選択します。

 

同じ体格でもゆったりめの着用感が好みならLを選び、

タイトフィットでスッキリ見せたいと思えばMにします。

 

先日セレクトショップでジャケットを選んでいた時に、

気になるのを見つけた〜と思ったら、

隣にいた人が素早く手にとって試着を始めました。

 

その人は小柄で細身の私より20センチ以上は身長が高く、

いかにも鍛えてそうなマッチョ体型でしたが、

私と同じサイズを着てとても満足気でした。

 

また、飲食店のテーブルの大きさもサイズ感を考える上で参考になります。

 

幅1.2m奥行60センチが一般的な4名用テーブルのサイズですが、

幅1.4mもあれば、1mの飲食チェーンもあります。

 

私のお気に入りカフェは天井が高く、ゆったりめの空間ですが、

反対に狭いほうが落ち着く人もいらっしゃいますよね。

 

さて空間を設計する場合、先ず平面レイアウトでの検討を行います。

 

受付、会議室、執務空間、役員室、リフレッシュエリアなどで構成される

オフィスでは、契約面積内に各用途空間を配置しますが、

会社の顔となる受付を広くする会社もあれば、

ゆったりとした執務環境を優先して最小限の受付とする会社もあります。

 

そこで私達は、お客様の要望に基づいたレイアウトを作成すると共に、

サイズ感をアレンジした配置の異なるプランを複数ご用意します。

 

何故なら、お客様の要望が単に他のオフィスを参考にしており、

要件が本質的ではない可能性もあるからです。

 

複数のプランを比較することで、こうあるべきという思い込みから離れて

より正しい判断を導くことができます。

 

フルオーダーメイドの自分の空間を考えるのは、

本当に自分にとって心地よいサイズ感を見つける

良い機会になるかもしれません。