COLUMN

PROJECT

排水臭気と通気について

お客様の施設改装プロジェクトにて

現状の給排水設備に改善すべき点があったのでご紹介致します。

 

建物は4階建で各フロアに個室トイレがあり、

個室内には大便器、手洗器カウンター、床清掃用の排水口+目皿が備わっています。

 

賃貸契約し使い始めてから、

排水・下水の匂いが気になるとのことで貸主側に相談したところ、

 

「床の排水目皿にある封水トラップの水が蒸発して封水の役目を果たしていないから、

下水の匂いが上がってしまっている。」

 

「封水トラップも古い。」

 

という事で勧められて交換したとのことでした。

また、毎日目皿に水を注いで封水が切れないようにして使うように勧められたようでした。

 

今回の改装計画ではトイレのデザインリニューアルということでご依頼を頂き、

現地確認の際に匂いの問題についても調査をさせて頂きました。

 

封水トラップが機能せずに匂いが上がってしまうことに間違いはないのですが、

水が蒸発してしまうことが原因ではないのです。

 

あまり知られていませんが古い建物等で排水管に通気・通気弁が無い場合がある、

もしくは機能していないことが匂いの原因となっています。

 

排水管系統が便器、排水、手洗器と同一になっていて、

排水管の途中に通気弁が無いと便器で多量の水が流れる際に、排水管の中で真空状態が発生します。

 

すると、同一配管系統の床排水目皿、

手洗器のせっかく貯まっている封水トラップの水を引っ張り排水してしまい封水が無くなり、下水と通じてしまうのです。

 

毎日、トラップに水を注いだところで便器の水を一度流すと封水が切れて匂いが上がってくるという原理です。

 

幸い今回は手洗器下のカウンター内排水管に通気弁を設ける事ができたので、

改装後に臭いの問題は改善され快適に使用できるようになり、ご満足頂けました。

もし、排水の臭いの問題でお困りのようでしたら

通気についてチェックをしてみると、意外と簡単に改善できるかもしれません。