自宅で過ごす時間が長くなったため、
「これまで気にならなかった空間をリフレッシュしたい!」
というご依頼が弊社でも増えています。
壁紙を貼り替えたり、カーテン交換などの
比較的手軽な内装リフレッシュもあれば、
キッチンやバスルームの入れ替えといった
それなりに工期を要する水廻りのリノベーションも選択肢です。
そのような中でも、使用に伴い劣化が目立ってきた
床材を変えることで空間のイメージを一新したいという
ニーズをお持ちの方も多いと思います。
住空間の床材も様々ですが、
通路やリビングダイニングはフローリングが目立ちます。
フローリングの場合は既存材を撤去すると巾木の交換も必要になり、
そうなると巾木と接する壁紙にも影響することから、
壁紙の貼り替えまでもセットで検討する流れになりがちです。
床面にしっかり接着された部材の撤去工事は手間が掛かる上、
ホコリや音の出るデリケートな作業ですので周囲の完全養生が必須です。
そうなると工事期間中は居住者様にご不便を強いることは避けられませんし、
近隣住居への念入りな配慮も不可欠です。
また、床暖房が採用されている場合、
撤去に伴い床暖房パネルも破損する可能性があるため
お客様にとっては想定外のコスト負担が発生します。
さらに構造が二重床などの防音仕様になっていて、
管理組合規約で遮音等級を守るように決められている場合は
対応する床材の選択肢も限られてきます。
このように既存フローリングの貼り替えとは、
諸々の付帯工事によるやむを得ないコストアップが伴います。
そこで私たちがお勧めするのが
現状の上から施工するリノベーションです。
上から貼ることができる床材は以前からありましたが、
厚みの問題や床暖房では使用できない等の制約で
採用しずらい製品が大半でした。
ところが現在では、従来の課題をクリアした
厚み4〜5ミリの薄い床材がリリースされていて、
設計者としては提案しやすい環境が整ってきました。
写真のように弊社でもカットサンプルが増えてきました。
撤去工事が発生しない点が大きなメリットで、
念入りな養生や産廃処分費用が無く、
工期も短いため施工費も大幅に削減できますし、
既存の上からの施工ですので遮音等級を気にする必要もありません。
また、大建工業の「サーモプラス」のような
床暖房対応の製品もあります。
折角リフレッシュするなら
ブルックリンスタイルのカフェっぽいリビングにしたいとか、
フレンチラスティックな雰囲気に統一したいなど、
スタイリッシュな空間ニーズに応えるデザイン性の高い製品もあります。
例えば株式会社GROOVEの「G-ROCK」や
株式会社北洲の「PERGO」は日頃からインテリアに関心の高い方にも
気に入って頂けるプロダクトだと思います。
「G-ROCK」や「PERGO」はジョイントを工夫して
接着剤を使用しない置敷きタイプのため、
賃貸住宅でも退去時には上貼り材を処分するだけで、
既存床材を現状回復する心配もありません。
木目の表情がとてもリアルに再現されていますが、
天然木ではありませんので、そもそも無垢材の質感をお望みなら
選択肢にはなり得ません。
また、既存の上から貼りますので
段差が生じるデメリットはありますが、
写真のような段差用部材もしっかり用意されています。
ご紹介した以外にも魅力的な製品がありますので、
フローリングのリフレッシュをご検討の際には、
ご検討されては如何でしょうか?